2020年のウェブ会議

もう2020年だってのに,ウェブ会議,困難が多すぎやしないか。だいたい音声通話だけでも,たんなる電話よりだいぶ質が悪い。多少音がくぐもっても会話に支障ないけど,ちょっとでも音が途切れると全然会話できないんだな,と思う。とにかく切れないことが大事。

そしてあらゆるトラブルが起きる。会議のURLがどっかにいった。プロキシに阻まれてアクセスできない。アクセスしたらアプリのインストールが必要だった。ログインしたがなぜか他の人がいない。向こうの音がこっちに聞こえない,こっちの音が向こうに聞こえない(しかも,聞こえないことがすぐには分からない)。なぜ聞こえてないかが分からない(ネットワーク? デバイス? ミュート? 先方のネットワーク? 先方のスピーカーのボリューム?)。さっきまで聞こえてたのに途中から聞こえなくなった。このボタンでミュートになるのかミュートが解除されるのか分からない。いまミュートなのを忘れて喋ってしまう。いまミュートになってないのを忘れて喋ってしまう。同時に喋ってしまいどうぞどうぞとなる。ノートPCのじゃなく外付けのマイクを使いたいが,デバイス切り替えメニューをみてもどれがどのマイクを指すか分からないし,なんかマイクの数よりたくさん出てきてる。そもそも機種名の右っかわが切れてて区別できない。キーボードの打鍵音が入って声が聞こえない。こっちの声が向こうのマイクに乗ってしまう。画面共有中に余計なものが映り込む。会話中に内輪の議論をこそっとSlackで送ったが気づいてもらえない。会議主催者のネット環境が悪くてときどき会議まるごと終了してしまう。

書いてみて思ったけど音声のトラブルが多い。「マイク単体でどこにでも置けること」「ミュートにできること」「ボリュームが調節できること」「外付けできること」といったあたりの自由度を減らすことでマシになるんじゃないか。実際,普通の電話はマイクは必ず口元にあって,ボリューム調節や外付けも普通はしない。ミュートに近いものとして「保留」があるがあれは会話全体を中断するのであって「一部の人がミュート」みたいな中途半端な状態もなく(電話を切ることと本質的には同じだ),かつ保留音が流れるので自分のミュート状態は明らかに分かる。一方で,ビデオはオンオフぐらいしかやりようがないので実はシンプル。自分がどう映っているかは自分の画面にフィードバックされるので状態もすぐ分かる。ユーザインタフェースの工夫で解決できることがまだまだありそうな分野だなと思う。