ウェブ2.0:自分のためのウェブ
「あわせて読みたい」というブログパーツのことをふと思い出して懐かしくなった。というか今もある。でもブログや個人サイトはすっかり一部の人のモノになってしまい,私のような物好きが細々とやるだけになった。そもそも今の20代前半の人は「ブログパーツ」というもの自体を知らないのかもしれない。
ウェブ2.0という言葉が流行った時代に私は大学生で,それなりにブログなど書いていた。当時のブログにはシェアボタンというものはもちろんなかった。その代わりに何があったか。
「はてなアンテナに登録」「Yahoo!ブックマークに登録」「Livedoor Readerに登録」。登録ボタンだ。
あの時代はみんな自分のためにネットをしていたなー,と思う。そういえば「なんとか同盟」みたいなウェブリングに加入したりもしたが,あれだって自分でブログにバナーを張らないといけないし,だからといって何かあるわけでもなく,もっぱら自分が楽しいのだった。「あわせて読みたい」も似たようなものだ。
ともかく,自分のために便利にウェブを使う,ためのサービスが減ったような気がする。ぱっと思いつくのはPocket,せいぜいIFTTTくらい? TwitterやSNSへの投稿が「登録」を兼ねるかというと,なにしろ検索性が悪すぎるので使い物にならない。まあ他人に影響を与えないサービスはなかなか流行らないしカネにもならないんだろうな。はてなブックマークは相変わらず人気だが私の周りでは使わなくなった人が多い。私はPinboardを淡々と便利に利用している。
以下蛇足。
- かの時代は「巨大ポータルサイト不在の時代」だった,とも言えるかもしれない。ウェブ2.0の前はみんなYahoo!を見ていた。ウェブ2.0の後はみんな(ウェブではなく)Facebook,Twitterのスマートフォンアプリを見てる(結局ウェブ2.0はウェブの終わりだった)。ウェブ2.0時代にはmixiの勢力が大きかったが,過去のYahoo!ほどでも今のSNSほどでもなく,好きなブログの巡回ないしアンテナ・RSSリーダのチェックが日課という人も多かった。今にしてみれば結構な前のめり,ネットガチ勢だ。
- 文章を書くだけでキーワードに勝手にリンクが張られて,そこから他の日記に勝手につながってしまうというはてなダイアリーの発想はやっぱりすごかった。「リンクする」行為がゼロになる仕組み。現代のもっとも手軽なリンクはハッシュタグだが,はてなのキーワードリンクはそれすら不要にする。
- Twitterが公式以外のアプリからもアクセスできるのって,ウェブ2.0の最後の残り香みたいな感じがする。最近はどっちを向いても囲い込みだからな。RSSだトラックバックだとオープンなAPIがあったのも今は昔である。
- Internet Watchで「今日から始める! Web 2.0超入門講座 ~初心者でもよくわかる「これからのWeb」のすべて~」という記事を見つけた。懐かしい。